GMOインターネットグループは9月25日、代表の熊谷正寿氏の思考パターンをヒューマノイドロボットに実装した「ヒューマノイド 熊谷正寿」を発表した。バーチャル空間に留まっていたAI経営者が、物理的な身体を持って動き出すことになる。

同社が進める「GMO Brain AIプロジェクト」の一環として開発されたこのシステムは、中国Unitree社製のヒューマノイドロボット「G1」を基盤とする。音声認識機能を持ち、投げかけられた質問に対して熊谷氏の経営哲学や同社の行動指針「GMOイズム」に基づいた回答を音声で返すという。
24時間休みなく稼働できる点が最大の特徴だ。人間のCEOが1日8時間働くとすれば、その3倍以上の生産性を発揮できる計算になる。複数体のコピーを同時稼働させれば、8000人の従業員全員との個別面談も現実的になるという。
従来のAI経営者は画面上のアバターやチャットボットとして存在していたが、物理的な身体を持つロボットとして実装されるのは国内初となる。オフィス内を移動し、実際に会議室に入って議論に参加することも技術的には可能になったという。
企業の意思決定プロセスにおいて、AIの活用は既に始まっている。しかし経営判断そのものをロボットが担う段階に入ったことで、企業統治のあり方が根本から問い直される局面に入ったといえる。熊谷氏は将来的に「次期グループ代表候補の一人」として位置づける構想も明らかにしており、ロボット経営者が人間の経営陣と並んで企業を導く時代が現実味を帯び始めた。
労働人口減少が続く日本において、経営層を含むあらゆる職種でロボット活用が加速する可能性がある。特に判断業務の自動化は、企業の競争力を左右する要素となるだろう。GMOの試みは、その先駆けとして注目を集めることになりそうだ。


