チェーンソー攻撃でも動作継続、Skild AIの汎用ロボットAIが示す新たな可能性

ヒューマノイドロボット

米スタートアップSkild AIが開発した汎用ロボット向けAI基盤モデル「全身体型脳(omni-bodied brain)」の驚異的な適応能力が注目を集めている。同社が公開した実験映像では、四脚ロボットがチェーンソーで脚を次々と切断されながらも、残された部位だけで移動を継続する様子が確認できる。

https://twitter.com/3anpei/status/1971086236728353278

カーネギーメロン大学の教授職を辞してSkild AIを創業したディーパック・パサックCEOは、この技術を新たな汎用的ロボット知能の形として位置づけている。従来のロボットAIが特定のハードウェアや環境に特化していたのに対し、同社の基盤モデルはあらゆる形態のロボットに適用可能で、損傷や故障といった予期せぬ状況にもリアルタイムで適応する能力を持つ。

この革新的な技術の背景には、競合他社の1000倍以上という膨大なデータでの訓練がある。人間によるロボットの遠隔操作データや数百万本の公開動画を活用し、多様な状況に対応できる汎用性を獲得した。モデルは高レベルの操作・ナビゲーション方針と、それを具体的な関節角度やモータートルクに変換する低レベル制御の階層構造を採用している。

実用化の観点から見ると、建設現場や製造業、さらには災害救助活動など、予測不可能な状況が発生しやすい環境での活用が期待される。特に危険な作業環境において、機体の一部が損傷してもミッションを継続できる能力は、作業の確実性を大幅に向上させる可能性がある。

2024年7月には、ライトスピード・ベンチャー・パートナーズやソフトバンク・グループなどから3億ドルの資金調達を完了し、企業評価額は15億ドルに達した。この資金は基盤モデルの拡張と商用展開の加速に充てられる予定で、まず産業用ロボットから実装が進められる見込みだ。

一方で、このような高度な適応能力を持つロボットAIの登場は、倫理的な課題も提起している。軍事利用への転用リスクや、人間の雇用への影響など、社会全体で議論すべき論点は少なくない。技術の進化と社会的な合意形成のバランスをどう取るかが、今後の普及の鍵を握りそうだ。

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