米自動車大手、工場ロボット関税に総反対 生産自動化の転換期に影響懸念

産業ロボット

米国の主要自動車メーカーが、トランプ政権が検討している工場ロボットや産業機械への関税導入に一斉に反対の声を上げている。商務省が国家安全保障を理由とした調査を開始したことを受け、業界団体は車両価格のさらなる上昇を警告している。

ゼネラル・モーターズ、トヨタ自動車、フォルクスワーゲン、現代自動車などほぼすべての大手メーカーが加盟する自動車イノベーション連合は10月22日、政権に対して新たな関税措置を控えるよう要請した。現在の新車価格が歴史的高値にある中で、製造設備のコスト増加は生産遅延や車両不足を招き、最終的に消費者負担を増大させる可能性があるとしている。

業界団体の調査によると、2024年に米国で導入されたロボットおよび産業機械の約40%が自動車生産施設向けだったという。製造業の中でも自動車産業は特に自動化技術への依存度が高く、関税の影響を最も受けやすい構造となっている。同連合に加盟していないテスラも独自に関税反対の立場を表明。投資の停滞や工場の新設・改修計画への影響を懸念している。

今回の関税議論は、自動車業界だけでなく幅広い産業に波及する様相を見せている。全米小売業協会は、店舗や倉庫、配送センターでのロボット活用が急速に進む中、関税による物流コストの上昇と消費者価格への転嫁を警告。米国商工会議所も、半導体製造に不可欠な極端紫外線リソグラフィー装置など、海外でしか生産されていない重要機械への影響を指摘し、国内半導体製造能力の強化という政策目標との矛盾を訴えている。

中国、カナダ、日本、スイス、欧州連合などの各国政府も相次いで関税反対の意見書を提出。製造業のグローバルサプライチェーンが複雑に絡み合う中、一方的な関税措置が産業全体の競争力を損なうリスクが浮き彫りになっている。自動化技術の導入競争が激化する中、関税による設備投資の遅れは、長期的には米国製造業の国際競争力を低下させる可能性がある。政権は産業界の懸念を踏まえ、慎重な判断を迫られている。

タイトルとURLをコピーしました