ヒューマノイドロボット、労働代替への道のりはまだ遠く Amazon幹部が語る現実

ヒューマノイドロボット

リスボンで開催されたWebサミットで、中国メーカーのブレイクダンスロボットが注目を集めた。しかし、Amazonの主席ロボティクス責任者タイ・ブレイディ氏は、工場や倉庫での実用化にはまだ多くの課題があると指摘している。

「技術のための技術になっている側面がある」とブレイディ氏は語る。ロボティクスを考える際は、まず解決すべき問題を特定し、そこから必要な機能を導き出す。その機能から形状が決まるべきだが、ヒューマノイド型は形から入ってしまっているという。

現在Amazonが配送センターで稼働させているロボットは100万台を超える。商品のピッキングや仕分け用のアーム、重い荷物を運ぶ車輪付き搬送機など、人間の作業員を感知しながら協働している。これらは明確な目的に特化した設計だ。

ブレイディ氏は、世界はまだ「ロボティクスと物理的AIの初期段階」にあると認める。人型の利点として、階段の昇降や不整地での移動能力は認めつつも、目的地に到達した後の作業が重要だと強調する。そこでは触覚やより繊細な操作が必要になる。

中国の電気自動車メーカーXPengや日本の介護施設向けロボット開発企業Enacticなど、各社が開発を加速させている。モルガン・スタンレーは2050年までに10億台以上のヒューマノイドロボットが稼働すると予測するが、現時点での実用化は限定的だ。

Agility Roboticsは2025年に数百台、Teslaは5000台の生産を計画している。しかし多くの専門家は、大規模導入には価格の大幅な低下と、非構造化環境への対応力向上が不可欠だと見ている。製造業や物流業から段階的に導入が進む可能性が高いが、家庭環境はさらに複雑な課題を抱えている。

労働力不足が自動化への需要を後押しする一方で、人間の触覚や適応力には及ばない部分が多い。ヒューマノイドロボットが真に人間の労働を代替するには、形状への固執を超えて、実際の作業価値を生み出せるかが試される。

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