兼松、仏製ヒューマノイドロボット「ミロカイ」の国内販売開始 球体移動で介護現場の人手不足解消へ

ヒューマノイドロボット

兼松は9月8日、フランスのロボットスタートアップEnchanted Tools社と、ヒューマノイドAIロボット「ミロカイ」の日本国内における独占販売契約を締結したと発表した。


ミロカイは、かつてソフトバンクロボティクスでNAOやPepperの開発を主導したジェローム・モンソー氏が手がける次世代ロボット。身長123センチメートル、重量26キログラムのコンパクトな筐体に、球体による独自の移動機構を搭載する。この設計により、病院や介護施設の狭い通路でも静かでスムーズな移動を実現した。


同ロボットの特徴は、複数の大規模言語モデル(LLM)を統合した自然な日本語対話機能と、頭部カメラによる表情認識システム。プロジェクターと3Dアニメーション技術を組み合わせた表情ディスプレイは、利用者との感情的なつながりを生み出す。両手で最大3キログラムの物体を持ち上げ、15キログラムまでの台車を牽引できる作業能力も備える。
フランスでは既に医療機関での実証実験を完了し、パリのブロカ病院など高齢者医療施設での有効性が確認されている。2024年にはフランス国立研究機関ISIRへの初号機納入も実現した。


日本市場への参入タイミングは絶妙だ。厚生労働省の推計では、2025年に介護職員が約32万人不足する見込み。高齢者人口が総人口の30%を超える中、介護ロボット市場は年率15%以上の成長を続け、2025年には1000億円規模に達すると予測される。


兼松は静岡県の長倉製作所と連携し、国内での保守・メンテナンス体制を構築。病院、介護施設、オフィス、商業施設など幅広い分野での展開を計画する。価格は1台あたり約400万円前後になる見通しで、リースプランも検討中という。
世界のヒューマノイドロボット開発競争が激化する中、球体移動という独自技術と感情表現を武器に、ミロカイは日本の労働力不足解消の切り札となるか。12月3日から東京ビッグサイトで開催される国際ロボット展2025での実機デモンストレーションに、業界の注目が集まる。

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