中国ヒューマノイドロボット企業、300億円規模の資金調達でIPOへ 製造業変革と高齢化対応を加速

ヒューマノイドロボット

中国のヒューマノイドロボット産業が資本市場での存在感を急速に高めている。複数の中国企業が2025年第4四半期のIPOに向けて準備を進めており、業界全体で約2400億円の資金が流入している状況だ。

杭州に拠点を置くUnitree Roboticsは、10月から12月の間にIPO申請を行う計画を発表した。同社の企業価値はすでに約2000億円を超えており、アリババグループやテンセント、美団などの大手テック企業が出資している。深圳のX Square Robotもアリババクラウド主導で約150億円の資金調達を完了させ、創業わずか2年で総調達額が約400億円に達した。

これらの企業が急成長を遂げる背景には、中国政府の強力な産業政策がある。2023年11月に発表された「ヒューマノイドロボットのイノベーションと発展に関する指導意見」では、2025年までの量産体制確立を目標に掲げている。中国工業情報化部は、ヒューマノイドロボットをコンピュータやスマートフォン、電気自動車に続く破壊的技術として位置づけ、産業構造と生活様式を根本から変える可能性があるとしている。

実際の導入現場では、自動車工場での部品組み立てから電子機器製造、さらには高齢者介護施設での活用まで、幅広い分野で実証実験が進んでいる。Unitreeの四足歩行ロボットは売上の約65%を占める主力製品となっており、ヒューマノイドロボットも30%まで成長している。X Square Robotの製品は、中国の主要自動車工場でパイロット運用が始まっており、1台のロボットが3人分の作業効率を実現しているとされる。

投資市場での反応も顕著だ。Unitree関連銘柄とされる企業の株価は2025年に入って3倍以上に上昇しており、投資家の期待の高さがうかがえる。ゴールドマン・サックスは、2035年までに世界で140万台のヒューマノイドロボットが稼働し、市場規模が1000億ドルに達すると予測している。

日本企業にとっても無視できない動きとなっている。中国企業の海外展開は加速しており、すでに日本、ドイツ、米国に拠点を設立する企業も出てきた。製造業の省力化や高齢化対応という共通課題を抱える日本市場は、中国のロボット企業にとって魅力的な進出先となる可能性が高い。技術協力や共同開発の機会が生まれる一方で、競争激化による価格低下圧力も予想される。

今後の展開として注目されるのは、AIの進化がもたらすロボットの知能化だ。ファーウェイの盤古大規模言語モデルや、各社独自のAIシステムの開発により、単純作業だけでなく複雑な判断を要する業務への対応も視野に入ってきた。中国企業の資金力と開発スピードを考慮すると、グローバル市場でのプレゼンスがさらに高まることは確実とみられる。

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