民生用ドローン世界最大手のDJIが10月28日、同社初となるロボット掃除機「ROMO」シリーズを発表した。フラッグシップドローンで培った高精度センシング技術を搭載し、2ミリメートル厚の充電ケーブルやトランプカードまで認識して回避する能力を実現している。
ROMOシリーズには高性能デュアル魚眼ビジョンセンサーと広角デュアル送信機ソリッドステートLiDARを搭載。機械学習と組み合わせることで、従来のロボット掃除機では困難だった微細な障害物の検知を可能にした。吸引力は最大25,000パスカルに達し、毎秒20リットルの風量を生み出す高性能モーターを採用している。
特徴的なのは、リアルタイムマッピングと適応エッジアルゴリズムによって制御される伸縮式デュアルアームだ。キャビネット下や大型家電の周囲、不規則な形状の壁や家具に沿った清掃を自動で行い、常に掃き掃除してから拭き掃除を行う設計により、汚れの拡散を防ぐ仕組みになっている。
164ミリリットルの大容量オンボード水タンクを搭載し、大きな部屋でもモップパッドを常に湿った状態に保つ。上位モデルのROMO Pには床用消臭剤と洗浄液用の専用コンパートメントが設けられており、キッチンの油汚れ対策や部屋全体の消臭など、空間ごとのニーズに対応できる設計となっている。
セルフクリーニングベースステーションには4つの高圧水噴射口と16ミリメートルの大口径排水口を装備。モップパッドの洗浄時には12ニュートンの下向き圧力を加えることで、最大200日間のメンテナンスフリー運用を実現したという。
ドローン技術で培った経路計画アルゴリズムも活用され、家庭内の効率的な清掃ルートを自動生成。ワイヤーやテーブルの脚、コーナーには接近して徹底的に清掃する一方、靴下や液体などは認識して回避する判断を行う。
充電は55ワットの急速充電に対応し、2.5時間でフル充電が完了。専用アプリ「DJI Home」からはカーペット認識、しきい値認識、キッチン・バスルーム専用モードなど、多様な清掃モードをカスタマイズできる。
現在ヨーロッパ市場で順次発売を開始しており、ドローン技術で確立した地位を持つDJIが家電市場に本格参入することで、ロボット掃除機業界の技術開発競争は新たな局面を迎えることになりそうだ。航空機技術の家庭用品への転用という流れは、今後他の分野でも加速する可能性を示唆している。


