中国・成都で開催されたコンサートで、ヒューマノイドロボットがバックダンサーとして登場し、世界中で話題を呼んでいる。
12月19日、歌手ワン・リーホン(王力宏)の「Best Place Tour」成都公演で、中国Unitree Robotics社のヒューマノイドロボット「G1」6体がステージに姿を見せた。シルバーのスパンコール衣装を身にまとったロボットたちは、楽曲「Open Fire」に合わせ、人間のダンサーと完璧に同期したパフォーマンスを披露した。
会場となった成都東安湖スポーツパーク多機能体育館には約1万8000人の観客が詰めかけた。ロボットたちは腕の振り、キック、ターンといった動きに加え、「ウェブスターフリップ」と呼ばれるバク転を6体同時に成功させた。その瞬間、会場からは大きな歓声が上がったという。
この映像はSNSで急速に拡散した。テスラCEOのイーロン・マスク氏もXで動画をリポストし、「Impressive」とコメントを添えた。マスク氏自身もテスラの人型ロボット「Optimus」の開発を進めており、中国ロボット企業の技術力に注目していることがうかがえる。
中国のSNS上では「今年の春節ガラでは扇子を回すのがやっとだったのに、1年も経たずにバク転ができるようになった」といった驚きの声が相次いだ。Unitree社のG1は、3D LiDARやマルチエージェント協調アルゴリズムを搭載しており、人間のダンサーに近い関節の柔軟性と反応速度を実現しているとされる。
専門家の間では、今回のパフォーマンスは中国のヒューマノイドロボット技術が研究開発段階から商業応用へと移行しつつあることを示す一例と見られている。一方で、中国政府の経済当局からは、実用性の乏しいロボットが乱立すればバブルを招きかねないとの警告も出ている。
Unitree社は2026年に次世代モデル「R1」を約5,900ドル(約90万円)で発売する計画を明らかにしている。エンタメ領域で存在感を示したヒューマノイドロボットが、工場や家庭といった実用分野へどこまで浸透していくのか。その動向が注目される。


