テスラ、人型ロボット「Optimus」で労働市場に革命へ 2026年に100万台生産計画

Tesla Optimus

電気自動車大手テスラのイーロン・マスクCEOが、同社の人型ロボット「Optimus」が人類の歴史を変える可能性があるとの見解を示した。同氏は最新の決算説明会で、2026年までに年間100万台の生産体制を構築し、価格を1体2万~3万ドル(約300万~450万円)に設定する計画を明らかにした。

Optimusは人間と同等の形状と動作を実現する汎用ロボットとして開発が進められている。テスラの自動車技術をベースに、バッテリーや電動モーター、AIコンピューターなどの基幹技術を転用することで、製造業や物流、医療、家庭サービスなど幅広い分野での活用が想定されている。

マスク氏によると、Optimusは人間の5倍の生産性を持ち、24時間365日稼働できるため、労働力不足の解消や経済生産性の飛躍的向上につながる可能性があるという。同氏は「貧困のない世界を実現し、誰もが最高の医療を受けられる社会が到来する」と述べ、ロボットが外科手術のような高度な作業も担えるようになると予測している。

2023年に初の試作機を公開して以降、テスラは着実に開発を進めてきた。現在はテスラの工場内で実証実験が行われており、歩行や物体の持ち上げ、簡単なサービス業務などを自律的にこなせる段階に到達している。最近のイベントでは、来場者への食事提供やインタラクションのデモンストレーションが披露され、実用化への道筋が見えてきた。

競争も激化している。中国のロボット企業アジボットは2025年に3000~5000台の生産を計画し、ユニツリーは1万6000ドル(約240万円)という低価格で二足歩行ロボットを販売している。ゴールドマン・サックスは、人型ロボット市場が2035年までに380億ドル規模に成長すると予測している。

ただし、技術的なハードルは依然として高い。エヌビディアのAI・ロボティクス研究者ジム・ファン氏は「ロボティクスのデータレシピはChatGPTよりもはるかに複雑」と指摘している。インターネットデータ、シミュレーションデータ、実際のロボットデータを組み合わせた学習が必要で、人間のような自然な動作を実現するにはさらなる技術革新が求められる。

マスク氏は、Optimusがテスラの企業価値の大部分を占めるようになり、最終的には同社を25兆ドル企業に押し上げると予測している。同氏は「持続可能な豊かさの時代が到来し、労働は選択制になる」と述べ、AIとロボティクスがもたらす経済の根本的な変革に期待を寄せている。

産業界では、労働集約的な作業の自動化への期待が高まる一方で、雇用への影響を懸念する声もある。マスク氏は、ユニバーサル・ハイインカム(高額な基本所得)の導入により、働くことが選択制になる未来を描いているが、社会システムの大幅な転換が必要となることは間違いない。

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