Teslaのヒューマノイドロボット「Optimus」がイベント中に転倒し、その直前の動作が遠隔操作の存在を示唆しているとして注目を集めている。
2025年12月7日、Teslaはフロリダ州マイアミの店舗で「Autonomy Visualized」と題したイベントを開催した。来場者にはOptimusが水のボトルを配ったり、写真撮影に応じたりする様子が披露された。
しかし、あるデモ映像がSNS上で拡散し、議論を呼んでいる。映像では、Optimusがボトルを配る際に手を動かしすぎて複数のボトルを落とし、そのままバランスを崩して後方に倒れ始める。問題視されているのは、転倒直前の動きだ。両手が素早く顔の位置まで上がり、何かを頭から外すような仕草を見せた。ロボット自体は頭部に何も装着していない。
この動作は、VRヘッドセットを使った遠隔操作システムを経験した人には見覚えのあるものだという。舞台裏や遠隔地にいるオペレーターがヘッドセットを外した瞬間、その動きをロボットがそのまま再現した可能性が指摘されている。
Teslaはこれまで、Optimusのデモが「AIによる自律動作」であると繰り返し強調してきた。イーロン・マスク氏は2025年10月、Optimusがカンフーを披露した映像について「AIであり、遠隔操作ではない」とX上で明言している。同月の決算説明会でも、映画プレミアでのパフォーマンスについて「誰も操作していなかった」と述べていた。
一方で、2024年の「We, Robot」イベントでは、ロボットの多くが遠隔操作されていたことが後に判明している。Teslaがその事実を明示しなかったことへの批判も上がっていた。
ヒューマノイドロボット市場には巨額の投資が流入しており、マスク氏はOptimusがTeslaにとって「1兆ドル規模の製品」になると主張している。しかし、デモの自律性に対する疑念が繰り返し浮上することで、技術の実態と企業発表のギャップに注目が集まりやすい状況が続いている。
ロボットが転倒すること自体は開発段階では珍しくない。Boston Dynamicsの失敗映像集はむしろ好意的に受け止められてきた。今回の反響が大きいのは、転倒そのものよりも「自律性の演出」が崩れた瞬間と受け止められているからだろう。
ヒューマノイド開発が加速するなか、企業がどこまで透明性を確保するかが、消費者や投資家の信頼を左右する要素になりつつある。


